鯖寿司はハレ食 [社寺]
もう5月になりました。
でも気温が30度!?
自然が変化して来ていますね。
でも異常気象とは、言えないかも。
いままでが異常に静かな気象だったかもしれないからです。
「熱中症に注意しましょう!」とテレビは五月蠅い。
空調に慣れた現代人は、自分で体温の調整がうまくできなくなってきているのかも。
空調や殺菌、綺麗な環境に小さい時からなれた世代は、長生きできないかも。
だからと言って具体的な対応をテレビの番組で、教えてくれない。
困ったものです。
本日の写真は、昨日の残りです。
京都市内の5月は、祭の時期。
色んな神社で祭をします。
子供時のこの祭の時、赤飯と鯖寿司を親戚に届けるのが仕事でした。
特に鯖寿司の存在は大きい。
私の小さい時は、冷蔵庫がなかった。
「??」と思われるでしょう。
冷蔵庫らしきものが家に来たのは、幼稚園ぐらいだったかな?
電気で動くのでなく、氷を入れて使うものだった。
洗濯機や掃除機、もちろん空調だってなかった。
道路も舗装していない場所が結構あった。
灯りは、電気でしたけどね。
暖房は、掘りごたつに練炭。
それと練炭火鉢だけ。
隙間風が入る家ですごく寒かったものです。
当時は、本当に「京の底冷え」だった。
そんな時代に鯖寿司というのは、とても高級なものでした。
鮮魚がない時代あんです。
川魚は、あったけど、海の魚介はなかった。
唯一、鱧というのはありました。
あれは、生命力の強い魚で生きたまま、京都市内にもってこれた。
そんな時、鯖は重宝した。
京都府北部から福井県若狭湾で獲れた「若狹モノ」というブランド?で塩をしたり、焼いたり、酢〆た状態で、鯖街道を通って京都市内に運ばれた。
その鯖を各家庭で鯖寿司を作った。
その高級魚で作った鯖寿司は、京都人にとって「ハレの食べ物」だった。
嫁いだ娘が「ほら、お祭りの時、こんな高級魚で寿司をつくれる家で幸せに暮らしています」というのを知らせるためのものだったかも。
「ハレ?」と言われそうですね。
「ハレとケ」とは、柳田國男によって見出された、時間論をともなう日本人の伝統的な世界観のひとつ。
最近の日本を見ているとこの「ハレとケ」が崩れてきているかも。
「ハレ」とは、折り目・節目を指す概念である。「晴(ハレ)れ着」「晴(ハレ)れの舞台」なんていいますね。一生に一度の大事な日。
そのために、日頃と違って特別な服装や食事をしたりする。
昔は、お正月には「晴れ着」を着たものです。結婚式で白無垢なんてのも晴れ着。
その「ハレ」に対して「ケ」というのがある。
「ケ」は、日常ということ。「ケ着」といえば、常の服ということ。
「ケ食」というと日常食べる食事。
昔は、「ハレ」と「ケ」は、きっちり別れていた。いまは、これが崩れている。
↑私が小さい時、左端の部分のモノを食べておりました。
それと「ケガレ」というのがある。
神社の行事では、この「ケガレ」を祓うというのが主な作業。
悪いことの原因は「ケガレ、穢れ、気枯れ、汚れ」にあると考えた。
「ケガレ」には、「赤いケガレ」と「黒いケガレ」に別れる。
ただ、ここから先の概念は、あまり好きになれません。
だから「鯖寿司」は、最上級の「ハレ食」だった。
京都市内で鯖寿司の価格が高いのは、「ハレ食」ということが京都人の頭の中でいまだにあるからなのかな。
他府県でも鯖寿司が当たり前にありますよね。
昆布で巻いてなかたり、竹の皮でなくラップだったりする。もちろん、京都市内のようにバカ高い値段でないけど。
それを見てちょっと腹が立つ。
↑京男の和菓子本が新装版になりました。初版を出版した2013年1月26日時の記事と新装版が出版した2018年1月19日の記事をご覧ください。
(色のかわっている部分をクリックすると表示されます)
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※「京男雑記帳1」へは、この文字列をクリックすると移動します
Twitter→@kyo_otoko
でも気温が30度!?
自然が変化して来ていますね。
でも異常気象とは、言えないかも。
いままでが異常に静かな気象だったかもしれないからです。
「熱中症に注意しましょう!」とテレビは五月蠅い。
空調に慣れた現代人は、自分で体温の調整がうまくできなくなってきているのかも。
空調や殺菌、綺麗な環境に小さい時からなれた世代は、長生きできないかも。
だからと言って具体的な対応をテレビの番組で、教えてくれない。
困ったものです。
本日の写真は、昨日の残りです。
京都市内の5月は、祭の時期。
色んな神社で祭をします。
子供時のこの祭の時、赤飯と鯖寿司を親戚に届けるのが仕事でした。
特に鯖寿司の存在は大きい。
私の小さい時は、冷蔵庫がなかった。
「??」と思われるでしょう。
冷蔵庫らしきものが家に来たのは、幼稚園ぐらいだったかな?
電気で動くのでなく、氷を入れて使うものだった。
洗濯機や掃除機、もちろん空調だってなかった。
道路も舗装していない場所が結構あった。
灯りは、電気でしたけどね。
暖房は、掘りごたつに練炭。
それと練炭火鉢だけ。
隙間風が入る家ですごく寒かったものです。
当時は、本当に「京の底冷え」だった。
そんな時代に鯖寿司というのは、とても高級なものでした。
鮮魚がない時代あんです。
川魚は、あったけど、海の魚介はなかった。
唯一、鱧というのはありました。
あれは、生命力の強い魚で生きたまま、京都市内にもってこれた。
そんな時、鯖は重宝した。
京都府北部から福井県若狭湾で獲れた「若狹モノ」というブランド?で塩をしたり、焼いたり、酢〆た状態で、鯖街道を通って京都市内に運ばれた。
その鯖を各家庭で鯖寿司を作った。
その高級魚で作った鯖寿司は、京都人にとって「ハレの食べ物」だった。
嫁いだ娘が「ほら、お祭りの時、こんな高級魚で寿司をつくれる家で幸せに暮らしています」というのを知らせるためのものだったかも。
「ハレ?」と言われそうですね。
「ハレとケ」とは、柳田國男によって見出された、時間論をともなう日本人の伝統的な世界観のひとつ。
最近の日本を見ているとこの「ハレとケ」が崩れてきているかも。
「ハレ」とは、折り目・節目を指す概念である。「晴(ハレ)れ着」「晴(ハレ)れの舞台」なんていいますね。一生に一度の大事な日。
そのために、日頃と違って特別な服装や食事をしたりする。
昔は、お正月には「晴れ着」を着たものです。結婚式で白無垢なんてのも晴れ着。
その「ハレ」に対して「ケ」というのがある。
「ケ」は、日常ということ。「ケ着」といえば、常の服ということ。
「ケ食」というと日常食べる食事。
昔は、「ハレ」と「ケ」は、きっちり別れていた。いまは、これが崩れている。
↑私が小さい時、左端の部分のモノを食べておりました。
それと「ケガレ」というのがある。
神社の行事では、この「ケガレ」を祓うというのが主な作業。
悪いことの原因は「ケガレ、穢れ、気枯れ、汚れ」にあると考えた。
「ケガレ」には、「赤いケガレ」と「黒いケガレ」に別れる。
ただ、ここから先の概念は、あまり好きになれません。
だから「鯖寿司」は、最上級の「ハレ食」だった。
京都市内で鯖寿司の価格が高いのは、「ハレ食」ということが京都人の頭の中でいまだにあるからなのかな。
他府県でも鯖寿司が当たり前にありますよね。
昆布で巻いてなかたり、竹の皮でなくラップだったりする。もちろん、京都市内のようにバカ高い値段でないけど。
それを見てちょっと腹が立つ。
↑京男の和菓子本が新装版になりました。初版を出版した2013年1月26日時の記事と新装版が出版した2018年1月19日の記事をご覧ください。
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こんにちは
確かに冷蔵庫の無い時代の食べ物は制約が多かったでしょうね。
昔の我が家があった地域は田んぼと畑しかないようなところでしたのそんな食べ物が殆んど、たまにご近所の鶏を絞めたのをいただくという生活だったと思います。
by すー (2018-05-02 13:39)
こんにちは
暑くなりましたね~
本当に、我々は家電製品の普及と
共に大きくなりましたね。
北国なので、冷蔵庫は遅かった
ですが、小学生の時に洗濯機が
来たときはびっくりしました。
by pomme (2018-05-02 14:58)
>すーさん、こんにちは。
冷蔵庫がない生活、いまの人間は想像ができないでしょう。流通もないのです。荷車で運んで着る。コンビニもない。スーパーのない。公設市場はありました。京料理はそういう中から生まれた。材料が悪いものを安全に食べる、しかも美味しく。料理というのはそういうものです。
by 京男 (2018-05-02 16:18)
>pommeさん、こんにちは。
現時点でも私は夏服です。いま、北海道方面は、クーラーを設置しているそうです。いままでその必要がなかった。
洗濯機、あのローラーが付いているやるでしょ。(笑)なんか年齢がばれてしまいます。
by 京男 (2018-05-02 16:21)