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茅の輪くぐり [社寺・和菓子]

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昨日6月30日は、年に二回ある大祓(おおはらえ、おおはらい)でした。
今年も半年経ったんだ。
この日、神社で茅の輪くぐりをします。
もっとも最近、早くから茅の輪ができている神社もありますね。

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↑新日吉神宮茅の輪

茅の輪ってご覧になったらわかりますが、茅(かや)で大きなクリスマスリース状のものを作り、そこを潜る(くぐる)ことで半年分の穢れをきれいにします。つまり各々の人間の身心をクリーニングする。
そのことで病気や不運から身を守るというもの。

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年末に行われる大祓って庶民はしませんね。
本来なら茅の輪を作ってくぐればいいのに・・・。
茅の輪ぐらいでは、ケガレを祓えないのかな?
なら火の輪くぐりとかやったらどうやろ。
一つの火の輪では、数が足りないから7つの火の輪くぐり。
火の輪と火の輪の間は、火渡り状態にする。
それを国会議事堂あたりで、政治屋・官僚の方々にやってもらいテレビで中継する。
国民もそれにならい各神社で火の輪くぐりを実行。
年末の大きなイベントになります。
クリスマスなんてはっている場合じゃない。

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くぐり方の説明を見ると「水無月の夏越の祓する人は 千年の命のぶといふなり」拾遣和歌集の「題しらず」
と書いてあります。
千年も寿命が延びる・・・国民がそんなに寿命が延びたら大変やね。
まあ、これは、神さんの世界の単位だから、人間の単位に換算すると二年とかになったりしてね。
神さんの世界って四次元から十次元ぐらいだろうから、当然時間の概念が違う。
だから神さんにお願いする時、過去完了形でもう成ったとして言うのが正解なんです。
初詣で「今年一年健康でありますように」なんて願っていませんか?
それは、間違いですよ。
「今年一年健康でした。ありがとうございます」でいいのです。
そうするとうっかりした神さんは、「あれ、そうやったかな?」と叶えてくれる。
「健康で過ごせるように」という願いかたもだめです。いま、健康でないということを言っている。商売繁盛でありますように」もだめ。
いま商売繁盛でないということになる。下手するとその商売繁盛でないのが実現する。わかりますか?
ややこしいと思うでしょ。だから神さんの前では、「ありがとうございます」と御礼だけ言っておいたらいいのです。

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「水無月」というお菓子がありますね。
京都人にとっては当たり前にあるものなんです。
食べるのが当たり前なんです。
ところが他府県に行くとないからびっくりします。
他府県に引っ越して、しょっくなのがこれです。
「たぬきうどん」もそやね。

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↑紫野源水「水無月」本葛製

この「水無月」というお菓子が他府県にないのは、京都の和菓子組合が商標を持っているかららしい。作ろうとするとお金を払わないといけないのだそうです。
おそらく、いまでもそうだと思う。

この三角形は、氷を表している。
昔の宮中で旧暦6月1日「氷の節供」または「氷の朔日」といわれ、室町時代には幕府や宮中で年中行事になっていた。
当時のセレブは、夏に冬にできた氷を氷室という所に貯蔵し、夏に氷を楽しんだ。甘味にアマヅラ(甘葛)といわれるシロップをかけて食べていた。
ブドウ科のツル性植物のツタから甘い樹液を集め、水分を飛ばし、シロップ状にした。
これに因んだ、お菓子が「水無月」なんです。

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↑やっぱりこのクラスの水無月がいい。たくさん食べる訳じゃないしね。

私が子供頃、水無月は、6月30日に食べるというすり込みがありました。
いまでは、年中売っていたりするのですが、あれには違和感がある。
水無月は、年に一度。きっと子供にそんなものを食べささないという親の知恵でそう言っていたんだろうな。

「水無月」の上部にあるあずきは、鬼や疫鬼が怖がる小豆なんです。豆類は、魔を祓うアイテムなんです。節分に豆撒きをするのも大豆の霊力で祓う。豆は、魔目(まめ)となっています。三角形は、氷を表しています。
京都人の血の中には、そういう情報が入っているのでしょうね。最近の人間にはないかも。
デパ地下で、並んで水無月を買っているおばはんたちを見ているとなんだか悲しくなります。
昔は、京都市内には、お餅屋さんがいっぱいあった。だから当たり前に近所で買えたのです。水羊羹もそうやね。店頭の氷の上に水羊羹が置いてある景色。子供にとって憧れだった。粽だってそやね。この間、父親と話していてわかったことがある。父親は粽を食べたことがないのです。父は十二人兄弟。そんな子だくさんで商家の家では、子供に粽なんて買い与えないよね。我が家でもあまり食べなかった。一度、川端道喜(かわばたどうき)の粽を食べさせてやらないといけない。道喜粽(どうきちまき)はブランドですからね。値段を言ったら、父親ちょっとびびっていた。

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↑音羽屋「水無月」外郎、小豆

そうそう先日、その父親に高級な「水無月」を食べさせた。
私は、最近安物の「水無月」が嫌になったのです。いいものを知るといけませんね。
原点の「鳴海餅」や「音羽屋」に戻らないと・・・。
でも安物の外郎は、やっぱり美味しくない。小豆も安物はやっぱり美味しくない。
その替わりといってはなんですが、値段が3倍する。
父親に言いながら水無月を渡した。ちょっと震えていた。(笑)

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すー

おはようございます
私は今年もこれに元気に参加できたことを報告してきました。
by すー (2018-07-01 05:55) 

常盤万作

京男様おはようございます。
近くの神社には「茅の輪」はありません。
伊勢神宮にもないと思います。「私幣禁断」で我々の神社ではありませんからね。

by 常盤万作 (2018-07-01 07:26) 

京男

>すーさん、おはようござます。
ボロボロになっても、生きていますよね。御礼をいわないといけません。
by 京男 (2018-07-01 08:02) 

京男

>常盤万作さん、おはようございます。
そちら方面の神社には、茅の輪を作りませんか。「私幣禁断」なるほど。もっとそれを神社がいわないといけません。善男善女がパワースポットだとつめかけ、つまらない願いを落としていますよね。賽銭箱もおかしい。
茅の輪は、ないけど「笑門」はありますよね。
あれ、素戔嗚尊系のお札、伊勢神宮はお姉さんですよね。民間では、弟に守ってもらっている。不思議です。
by 京男 (2018-07-01 08:08) 

常盤万作

つづく
伊勢神宮はよく分かりません。江戸時代は正殿下にも御茶屋があり、参道にはもっとひどい店が並んでいたようです。
明治維新となり国家神道で全て撤去、宇治橋の外へ追いやられました。
「私幣禁断」はタテマエで、金さえ出せば奥で雅楽も奉納できます。神仏の事で真面目に考えると鬼に笑われます。
by 常盤万作 (2018-07-01 18:29) 

京男

>常盤万作さん、こんばんは。
神様がいなくなって人間が神様のような顔をして組織を動かしている。
仏教でも同じ。神様も呆れて離れてしまっているのかも。
天照皇大神姐さん、もう岩田に引き籠もりしてしまわはるかも。
神仏ってなんでしょうね。
by 京男 (2018-07-01 19:42) 

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