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復活! [甘味・その他]

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これは、懐かしいでしょ。
植村義次(個人名がお店の名前なんです)の「春日乃豆」だと思いませんか?
知っている人は少ないかも。
これは「洲浜(すはま)」の御菓子。
浅煎りの大豆粉と砂糖と水飴を練った素朴な御菓子。
昔は、豆飴と言ったそうです。

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↑すはま屋「春日乃豆」

私は、洲浜は嫌いでした。
「州浜団子」というのがあります。
好きだった団子の形態なんですが、洲浜だった。
この甘ったるいものが苦手でした。
茶団子は好きだった。
もっとも母親は、和菓子屋の娘だったので嫌いだったようです。
きっと売れ残りを食べさせられたのでしょうね。

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↑州濱/これは二日前ぐらいに予約が必要とのこと

でも、植村義次の「春日乃豆」にであってから洲浜に関し、考え方が変わったのです。作りたては、美味しかった。
しかも、時間が経つと口当たりが変化する楽しみがある。
よく京都以外の方に手土産で差し上げたりしていた。
それが好評だった。
お店に入った時の匂いやご主人が母方の祖父によく似ているのです。
行くと博学で色んなことをお話しさせてもらった。
それが、ご主人の体調でとうとう閉店になってしまった。

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ところが先日、前を通ったらお店が開いていたのです。
ちょっとモダンになったけど、「春日乃豆」もありました。
お子さんがお継ぎになったのかとお店に入りました。
お店におられた女性に聞くと「私が一人でやっています」とのこと。
聞くと、ご自身も茶道関係だったらしく、小さい頃から洲浜の端を食べて育ったのだそうです。聞くと洲浜が好きなんだそうです。
で、植村義次さんにお店をしたいと頼まれたのだそうです。
それで洲浜の作り方を継承され、お店をオープンされた。
素晴しいことですね。
「本当に良かった」と言いました。大きくする必要はないけど、永く続けて欲しいです。

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↑洲浜紋/洲浜は河口にできた三角洲など、水辺にできる島形の洲をいう。いわゆる河と海などの接するところで、曲面の入り組んだ洲の様子を表す 言葉である。水の流れでいろんな姿に変わる、それを柔軟なフォルムで捉えたまるみをおびたラインが特徴。また洲浜 は、蓬莱山の仙境を意味したり、竜宮城を指したりしてめでたい形とされた。 平安時代から慶賀の式などにおける飾りや調度品は、蓬莱山に通じる州浜を象った洲浜台が用いられた。最初見た時は、ミッキーマウスだと思った。

さてお味は?
「新・春日乃豆」は、形が若返りましたね。若々しい。味は、もうすこし角をとるのが課題なのかも。それは時間が解決しますよ。
名前が「州濱」になったのかな?

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棒状の州濱もよくできていますよ。
サイズがハーフがあってもいいかな?
一本がなかなか食べきれないのです。
マジパンのようにアーモンドや蜂蜜、フレーバーをつけた酢なんかもいいかもね。
それは、修・破・離の「修」をしっかりやることでしょう。

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なにはともあれ、復活してくれて、とてもうれしいです。
こういう明るい話もあっていい。
こういう形で技術継承が行くといいな。
百貨店の変な誘惑、マスゴミで変な食レポに注意ね。
印刷物を見ると「御洲浜司 植村義次」って1657年創業だったそうです。創業から362年も経っている。形はちょっと変わっても直伝で技術が伝わってよかったと思う。

和菓子

和菓子

  • 作者: 中村肇
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2018/01/22
  • メディア: 単行本


↑京男の和菓子本が新装版になりました。初版を出版した2013年1月26日時の記事新装版が出版した2018年1月19日の記事をご覧ください。
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タグ:京都 干菓子
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常盤万作

京男様おはようございます。
362年も連綿と続いているとは、頭が下がります。店の方と支えている都人にお礼です。
上洛の際は、食べてみたい。しかし、子供の頃に似たお菓子を食べた記憶もあります。
by 常盤万作 (2019-07-03 05:59) 

京男

>常盤万作さん、おはようございます。
こういう復活のケースは、初めてです。とっても嬉しくなりました。
何かにつけて、買いに行こうと思います。でないと続かない。
州濱は、作りたてと数日の変化を楽しむ御菓子です。小さい頃はそんなことを理解できなかったのです。作りたての州濱を経験してみてください。変化もね。
by 京男 (2019-07-03 06:38) 

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