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京寿司 [食]

京男が小さい時、お寿司といえば、写真のようなモノだった。
握り寿司は、冷蔵庫が登場するまでなかった。
流通も鮮度を保った状態で京都市内に魚介を運べない。
例外は、鱧(はも)です。鱧は、生命力が強く、生きた状態で京都市内に運べた。
あの骨の多く、凶暴で、血液に毒があるという材料として最悪の魚しか、生きた状態で運べなかった。血液の毒は、鰻と同様の種類。鱧や鰻は、さばく時に注意が必要なんです。血液が目に入ると危険なんです。
もっともその毒は、加熱すると無害になります。ご安心ください。
鱧や鰻は、あまり刺身で食べないのはそういう理由があるのです。

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↑いづ松「京寿司」

関東方面で、鱧は捕れなかっようです。
鰻は、捕れたようですね。
江戸は、武士が多かったから魚を開く時、背中から開いていた。
やりにくかっただろうな。
骨切りも関西独特の技術。
「骨切り」というと自分の脚の手術をなぜか思い出す。

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↑お寿司の説明、小さい時、上の列の左から2番目のケラ巻の玉子と太巻の玉子、ハモ箱だけを食べる子でした。いなりは、嫌いだった。太巻も干瓢と椎茸が嫌いだった。タイ箱は、木の芽とタイが嫌い、鯖寿司も苦手。いまは、すべて美味しくいただきます。成長しましたね。

京寿司に話しを戻します。
京都で寿司というと本日の写真のようなものなんです。
「ええ?にぎり寿司はないの?まぐろは?」と思うでしょ。

関西で寿司というと滋賀県の鮒寿司のようななれ寿司だったかも。
でもなれ寿司をつくるには、魚を発酵させないとできません。
それに近い食べ物として、箱寿司や巻き寿司を考えたかも。
高級な鯖寿司もなれ寿司系を再現しようとしたものです。

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↑吸物

この京寿司の形式は、お茶屋さんで食べさしたものが始まりかも。
お酒を飲む席で、お寿司なんて最終的なものですね。
それと客が家族にお土産として持って帰るためにある。
きっとお座敷でダラダラと遊び、小腹が減ったらつまむ寿司。
江戸前のように、握った寿司をすぐに食べない。
ラップがなかった時代だから乾燥を防ぐと同時に、旨味を添えるために、様々な種類の昆布が使われているのです。
それと基本的に醤油を使わない。

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↑いそ巻

お茶屋さんでは、料理は作らないので、出前で届けてくれる仕出し料理屋さんがあります。仕出し、寿司、広東料理、洋食、鰻屋・・・客が食べたいというものを調達してくれます。

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↑おぼろ巻

そういう環境で京料理は発達した。
大阪も同じだったと思います。
いまは、寿司といえば江戸前が中心になってしまいましたね。
鮮度がよければ、生が一番。
私は、入念に仕事をした京寿司が好きかも。
小さい時は、あまり好きじゃなかったですけど。

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↑ばらん細工、こうやって手作りのは貴重かも。

京都市内に観光して、寿司を食べる時は、こんな京寿司もいいかも。
丁寧に下ごしらえしたものは、美味しいと思います。

和菓子

和菓子

  • 作者: 中村肇
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2018/01/22
  • メディア: 単行本


↑京男の和菓子本が新装版になりました。初版を出版した2013年1月26日時の記事新装版が出版した2018年1月19日の記事をご覧ください。
(色のかわっている部分をクリックすると表示されます)

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Twitter→@kyo_otoko
タグ:京都
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