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慶長撞鐘 [社寺]

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本日の記事は、東本願寺境内に置いてある「東本願寺慶長撞鐘」。
こういう鐘を間近で見るというのはあまりないですね。

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この撞鐘(梵鐘)は、慶長7年(1603)、徳川家康から京都烏丸六条の寺地の寄進を得た教如上人が、同9年(1604)9月の御影堂の造営に合わせて鋳造したもの。

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↑このいぼいぼが「乳」

お釈迦さんの髪の毛のようなモノは「乳(にゅう)」という名前らしい。
間違って「乳(ちち)」と言ってはいけません。
丁寧に「お」をつけてもだけです。
こういうのをつけることでいい音になるんだろうか?

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それと一番天辺の撞鐘を吊す部分を「竜頭(りゅうず)」という名前です。
時計の竜頭(リューズ)と同じです。時計で一番重要な部品です。
撞鐘でもそうなんだろうなぁ・・・。
いい加減に作ったら撞鐘が落ちたら笑えませんからね。

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竜頭で思い出した。
自動巻きの腕時計、すぐに止まるからモーターで回転する台に置いてある。
タイマーである一定の時間に回転してネジを巻くのです。
この台に時計を置いてから、時計が正確になった。
はやり一定の割合でゼンマイを巻くのがコツなのかも。
毎日、同じように腕を振ったりしないといけないということなんだろうか?
便利なのか・・・不便なのか・・・。

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この慶長撞鐘は、度重なる火災でも残っているものらしい。
2010年に新しい撞鐘ができて、引退し、阿弥陀堂に置いてあったそうです。
どのぐらいの重さなんだろう?と思っていたら、高さ2メートル58、口径1メートル56、重さ3.5トンなんだそうです。
新しい鐘のデータがありました。高さ2メートル65、口径1メートル60、重さ4.5トン新しい方が重い!
竜頭ってそれぐらいの重さを支えている。しかも鐘を撞く時、衝撃を受けますよね。
すごいなぁ・・・変なことで感心してしまった。

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前の戦争(応仁の乱でなく大東和戦争)の時に出された金属類回収令がだされ、文化財に指定されているものなど一部の例外を除き、数多くの梵鐘が供出され、鋳潰された。これにより、近代や近世以前に鋳造された鐘の多くが溶解され、日本の鐘の9割以上が大東和戦争時に失われたという。悲し話しですね。

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最近では特に都市部で梵鐘の音を騒音と捉えた人から寺や警察に梵鐘を撞くことをやめるよう苦情が来ることが増え、撞き手がいない寺が増えていることもあって、除夜の鐘も含めて梵鐘を撞く寺が減ってきている。また、指定された時間に無人で梵鐘を撞く装置を導入する寺もあるらしい。
除夜の鐘ぐらいかまへんと思うんやけど・・・。

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