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六角堂頂法寺 [社寺]

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昨日の続き。
この六角堂頂法寺は、説明によると聖徳太子が幼い頃、淡路島の岩屋に小さな唐櫃が流れ着き、太子が蓋を開けると中から黄金でできた一寸八分の如意輪観音の像が出てきました。そこで太子は、自分の持仏として大切にしました。そのころ太子は物部守屋と争っていたので、如意輪観音に勝利を祈り、「勝たせていただければ、四天王寺を建立いたします」と誓いを立てました。勝利をおさめた太子は、用明天皇2年(587年)、大阪四天王寺建立のための用材を求めてこの地に来られました。

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ある日、泉のかたわらにある多良の木の枝に護持仏をかけて沐浴をされ、終わって仏を手に戻そうとされたが、どういうわけか、枝から離れません。その夜、「お前の守り本尊となってから、すでに7世が過ぎた。これからは、この場所にとどまって衆生の救済に当たりたい」、という仏のお告げを夢で見られました。

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信仰心篤い太子は、ここにお堂を建てようと決心しました。そこへ一人の老翁がやってきたので、「この辺りに観音のお堂を建てるにふさわしい木はないか」と尋ねました。老翁は「この近くに杉の巨木があります。毎朝紫の雲がたなびく霊木です。あの木を使うとよいでしょう」と言って去りました。老翁に教えられた場所に行くと、一本の杉の木があったので、それを伐ってこの地に六角の御堂を建てて護持仏を安置されたと伝えられます。

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ご詠歌「わが思う 心のうちは 六の角 ただ円かれと 祈るなりけり」
六の角とは、六根(眼・耳・鼻・舌・身・意)によって生ずる六欲のこと。
つまり六根清浄を願うということ。

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↑へそ石

ここは、「西国三十三所巡礼」の十八番目の札所。
また「洛陽三十三所巡礼」の一番目の札所でもある。
如意輪観音菩薩を本尊としていまも巡礼に来られる人は多い。

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よく「三十三」というのが出てきますね。
・西国三十三所巡礼
・洛陽三十三所巡礼
・三十三観音
・三十三天(マルチ商法であった円天とは無関係)
・三十三間堂
・三十三回忌(お寺じゃないけど)
・チリの炭坑から救出された三十三名のおっさんたち(これもお寺やないけど)

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これは、法華経の普門品(観音経)に説かれる観音菩薩の「三十三応現身」に由来する。
観音菩薩が三十三の姿に変化してあらゆる衆生を救ってくれるというもので、日本ではそれを発展させて独自に三十三観音を生み出した。
古代インド人にとって「三」は神聖な数字であると共に「多数」を意味するものでもあった。

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ちょうど日本では「八」を用いた数字で「多数」をあらわすような感じかな。
一つで「多数」を意味する「三」を重ねた「三十三」は数えきれぬほど多い、つまり「無限」をあらわすことになるといわれている。

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Twitter→@kyo_otoko
タグ:京都 社寺
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コメント 16

すー

おはようございます

いいですね、六角堂の紹介・・・京男さんらしい内容ですね。
by すー (2010-10-23 05:11) 

京男

>すーさん、おはようございます。
いま、作業をしているのに三十三というのがよくでてくるので調べてみると面白いことがわかってきたんですよ。

by 京男 (2010-10-23 05:23) 

mayu

京男さん、お元気さん♪

真上から見ると本当に六角なんですよね~
昨日の記事のスタバでお茶したいですね!
雰囲気がまた楽しそうですし観光客気分でしょ?

三十三???
面白い事ってなんですか~~~???
\(~o~)/
by mayu (2010-10-23 05:55) 

お昼寝ねこ

1・2・3で沢山!となると、なんとなく話に聞く原始人時代の数の感覚のような。。。でも、3を重ねて数多とは、いいですねぇ。

by お昼寝ねこ (2010-10-23 06:40) 

guran

おはようございます!
由来を教えてもらったので改めて行ってみます^^
by guran (2010-10-23 07:30) 

BPノスタルジックカーショー

おはようございます。

なるほど由来が理解できました。
今度はスタバの帰りに寄りましょう!!
by BPノスタルジックカーショー (2010-10-23 07:46) 

京男

>mayuさん、おはようございます。
六角堂あたりまえなんですが上からみたら六角というのが感動します。
ちょっと大きな坪庭みたいな変な感じがしますね。
本尊も苦笑いしているかも。
三十三は面白いです。いまやっている作業によく出てくる数字だし。
超古代のことを現在に甦らせる作業をいましているかも。
昔の人を超えなければと思って日々作業しているんですよ。中身はなかなか説明不可能ではありますが。
by 京男 (2010-10-23 08:04) 

京男

>お昼寝ねこさん、おはようございます。
数字の不思議を感じます。古代インドの数字に関する考え方はいま思うと最新なのかもしれません。仏典に書かれているようなことを素粒子物理学者たちは研究で発見しつつあるのも面白い。
by 京男 (2010-10-23 08:06) 

京男

>guranさん、おはようございます。
由来を知ると興味がわくでしょ。正面向かいの刃物店も興味があるんです。用の美だと思ったなウィンドーを観てそう思った。
by 京男 (2010-10-23 08:08) 

京男

>BPノスタルジックカーショーさん、おはようございます。
面白い場所でしょ。祇園もいいけど、このあたりもいいですよ。(笑)
by 京男 (2010-10-23 08:08) 

ゴーパ1号

おはようございます。
へそ石のまわりのつるつる石もかわいくていいですね。
by ゴーパ1号 (2010-10-23 09:05) 

pomme

こんにちは
長年生きてきて、六根清浄の意味も知りませんでした。
京男さんのお陰で物知りになれます。
忘れないようにしないと・・・・

三十三、何か感じますね。
by pomme (2010-10-23 15:03) 

京都写真紀行

この界隈は池坊の独占地域ですね。室町に起こった生花の歴史が現在のこの場所を摩訶不思議な姿にしているのではないでしょうか。だから生き延びることができたような。何せ京都の中心地ですからね。それにしてもお堂の回り北、西、南をビルにした池坊とは?
by 京都写真紀行 (2010-10-23 19:43) 

京男

>ゴーパ1号さん、おはようございます。
へそ石って京都の中心だといわれているんです。
ちょっとへそのゴマがたまっていますね。
by 京男 (2010-10-24 06:19) 

京男

>pommeさん、おはようございます。
六根清浄の意味って聞いたことがあるけど、案外知らないものです。
結局、いまの人類がうまく行ってないのは「六根清浄」でなく「六根汚濁」という状態だからでしょうね。
三十三って女性の厄年ですね。(笑)
by 京男 (2010-10-24 06:22) 

京男

>京都写真紀行さん、おはようございます。
そうです。この界隈は池坊が執行として代々経営・管理に当たってきた。池坊の名は、聖徳太子が水浴したという池(又は井戸)にちなんでいるぐらいだから、この回りはきっとそうなんだろうな。
リッチ的に大きなビルはしかないかもしれないけど、いまとなってはどうしようもない。おかげでこういう珍風景が生まれた。
by 京男 (2010-10-24 06:26) 

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