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「州浜は嫌いや」と父が言った [和菓子]

京都御苑に行った時、「春日乃豆」が食べたくなった。
植村義次さんに行く。個人のお名前だけどお店の名前なんです。
お店に入ると母親の実家に行ったような錯覚を覚える。
ご主人が母方の祖父に雰囲気が似ているというものある。

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↑植村義次「春日乃豆」

私を見て「あらっ!」と奥さんがおっしゃった。
バイクで買いに来た頃、松葉杖で買いに来たのもご存知でしたからね。
ほんとうに喜んでくださった。
奥におられるご主人まで出てきて、喜んでくださった。
人のことをここまで喜べる人はすばらしい。
社交辞令じゃけっしてない、親戚の人間のように思ってくださった。
ありがたいことです。

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↑今回はギフト仕様の包装をお願いしました

今回は、自分で食べるのでばら売りにしてもらってもよかったのですが、写真のことを考え、ギフト仕様にしてもらいました。
このお店は、州浜だけしかつくっておられません。
「春日乃豆」は、大抵買えます。本来の州浜は予約しないと買えません。
それでいいと思います。

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家に持って買えると、京女も次女も食べます。
食べ始めると止まらないといいます。
作りたては格別です。
また二、三日経ってお砂糖がシャリシャリしたのも好き。

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父親に「欲しい?」と言ったら、「おれは州浜は嫌い」と言った。
それもなんとなくわかる。
昔の干菓子は不味かった。
干菓子でも賞味期限があるのです。
落雁だって、悪くならないというイメージがあった。
作っている人に聞いたけど、やっぱり美味しいのは製造後一週間ぐらいなんだそうです。人体みは無害だけどカビが生えたりするそうなんです。
それが美味しくなくなる原因になる。

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↑州浜製の三色団子、形状は好きなんですが・・・

京男もつい最近まで州浜は嫌いだった。
春日乃豆を知ってはじめて好きになった。

幼稚園ぐらいの時、団子に憧れていた。
三色の花見団子がとりわけ好きでした。
いまなら、花見シーズン以外でもお餅屋さんで売っています。
昔は、花見シーズンしか売っていなかった。
柏餅や粽、月見団子、水羊羹、水無月だって季節限定のお菓子でした。
そんな時、州浜でつくった三色団子をなんかの関係でもらったのでしょうね。
家にあった。
ワクワクしながら食べた時のまずさはショックでした。
以来、州浜系統はきらいだった。
きっと父親もそうなんだろうな。
羊羹だってそうです。
一年ぐらい経った羊羹がおやつにでてきたりした。
ジャリジャリして美味しくなかったなぁ・・・。

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↑塩芳軒「花見だんご」外郎(白餡)、こなし、餡玉

お嫁さんのおまん(地方によってはとんでもない解釈になるかも)も、いやなお菓子でした。大きな紅白の上用饅頭でなかに小さな上用饅頭がたくさんはいっていた。
母親もあまり食べなかった。
祖父が和菓子屋だったので、いつも食べさせられたかららしい。

※干菓子
干菓子(ひがし)または乾菓子(ひがし)は、水分の少ない乾燥した和菓子の総称。生菓子に対しての名称。
この分け方では、まだ厳密でない。
煎餅や八つ橋(昔は、生八つ橋などは地元でしか買えなかった。近所の特権だった時代が長く続いていた。いまは、餡なのが入ったものが大きな顔をして売っているけど)そばぼうろは干菓子の仲間でなかった。
干菓子というと水分が20パーセントぐらいのものをいいます。
水分が30〜35パーセントになると半生菓子という分類になります。
◆干菓子→落雁、雲平、有平糖、金華糖、生姜糖、和三盆、おこし、甘納豆、五色豆
◆半生菓子→最中、州浜、石衣、干琥珀、羊羹(水羊羹は除く)
京都なんかでは、生菓子と上生菓子の区別があります。ハッキリとした分かれ目は最近ないですけど。

和菓子

和菓子

  • 作者: 中村 肇
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2013/01/26
  • メディア: 単行本


↑これから暫くの間、京男の和菓子本のお知らせをします。詳しい説明は1月27日の記事をご覧ください。(色のかわっている部分をクリックすると表示されます)

過去の記事をご覧になりたい方はこちらからどうぞ↓
※「京男雑記帳1」へは、この文字列をクリックすると移動します

Twitter→@kyo_otoko
タグ:和菓子 京都
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コメント 12

常盤万作

おはようございます。
早速、京男様のブログを拝見しています。羊羹はジャリジャリしているのが高級品と、子供の頃思っていました。近所の菓子屋の羊羹は柔らかく、京都の羊羹はジャリでしたから。
手元に届くのが遅かっただけなのですね。

植村義次、確かにメモしました。
by 常盤万作 (2015-01-31 06:50) 

京男

>常盤万作さん、おはようございます。
羊羹は、苦手な物で最近まで食べなかったかも。母親の実家は全員甘党で一人一本食べていた。その風景が子供心に怖かった。小さい時、甘い食品は食べなかった子供だったのです。いまは、虎屋の「夜の梅」なら食べられるようになりました。
この植村義次さんは、州浜だけしかつくっていません。一度行くといいですよ。作りたての春日乃豆、数日経った時の食感の違いもとてもいいものです。本式の州浜は要予約です。
http://kyo-otoko.blog.so-net.ne.jp/2007-07-25
by 京男 (2015-01-31 09:35) 

pochikun

お父さん、こんにちは~!
州浜さん、子供の頃は苦手だったの。
あのお口の水分を奪うもっさい感じがダメなのよ。
でも今は美味しいと感じるようになったわ。

気にかけて下さる方が居るって嬉しいことね。
by pochikun (2015-01-31 11:56) 

テリー

春日乃豆、食べてみたくなりました。今度京都に行ったときのために、メモしておかないとおけませんね。
by テリー (2015-01-31 17:45) 

京男

>三女のぽちママさん、こんばんは。
作りたての州浜を食べたことありますか?口の中の水分なんてとられないのです。しっとりして香ばしい。さすが御所御用達だけのことはあります。
もう長いつきあいなんです。人の事をあれだけ喜べるご夫妻は素晴しいと思います。
by 京男 (2015-01-31 17:59) 

京男

>テリーさん、こんばんは。
ぜひ実物を食べてみてください。州浜の概念が変わります。事前に電話して営業されているかチェックしてくださいね。
by 京男 (2015-01-31 18:27) 

keiko

こんばんは。
京男さんが絶賛する春日之豆を是非いただいてみたいなぁ思いました。次回行ったら是非!私の知らないお菓子が沢山あります。
by keiko (2015-01-31 22:02) 

すー

おはようございます

お店に行って覚えていただいていたというのは、本当に嬉しいものですね。

>干菓子でも賞味期限があるのです。
>落雁だって、悪くならないというイメージがあった。

そうか? でもそうだろうなと思いました。
どんなものにも食べごろがありますよね。
by すー (2015-02-01 04:49) 

京男

>keikoさん、おはようございます。
州浜の専門店があるというのは、珍しいでしょ。作りたての州浜を食べてみると納得します。画像ではわかりませんからね。
by 京男 (2015-02-01 08:26) 

京男

>すーさん、おはようございます。
お店に行って色々話し込みますからね。私の場合。
身内のように喜んでくださって、とても嬉しかったです。
干菓子は、長持ちするイメージがあるのですが、風味は確実に変わります。
by 京男 (2015-02-01 08:28) 

はてみ

私が知っているのと違う…?と思ったら、「すあま」じゃなくて「すはま」なのですね。一度食べてみたいです。包装紙の模様も素敵ですね。
by はてみ (2015-02-01 15:34) 

京男

>はてみさん、こんにちは。
漢字で書くと「州浜」です。ここの「春日乃豆」を食べるまで「州浜」は嫌いな食べものでした。このお店が母方の実家の匂いなんです。
by 京男 (2015-02-01 15:46) 

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