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景清の目玉のゆくえ [社寺]

もう梅雨入りらしいですね。
蒸し暑い!もうすこしでクーラーのスイッチを入れそうになった。
服装も夏になってしまった。
記事は、まだ清水寺境内です。

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↑胎内めぐりをやったはる随求堂(ずいぐどう)。新型コロナの影響でいまは胎内めぐりはお休みしたはります。

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↑三重塔

本日のタイトルは不思議でしょ。
知っている人が少ないかも。
「景清」って?となるかも。
景清というのは、平氏の侍大将だった平景清のことです。
壇ノ浦後に、源頼朝の暗殺を企てて捕らえられ、「源氏の世は見られぬ」と自らの眼球をくりぬいて、清水寺に奉納したという伝説が残る人物です。

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↑景清爪形観音の石灯籠

景清の彼女が遊君・阿古屋です。『壇浦兜軍記』(だんのうらかぶとぐんき) 阿古屋の琴責め(あこやのことぜめ)の阿古屋ね。
琴の上に座らしたりしたんと違います。念のため・・・。
まあ、景清は、阿古屋の自白でなく別件で捕まった。その時「自分の目玉をくりぬき、清水寺に奉納」。目玉をくりぬいたのは「犬の目」の時の医者ではないと思います。景清さん自身でやらはったかも。

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↑覗いてもようわかりません

この景清爪形観音の石灯籠は、牢内で景清さんが爪で観音さんを彫らはったそうです。この灯篭の中にその観音があるのだそうです。
覗いてもようわかりません。

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↑隣のお地蔵さん

この景清さんが清水寺に奉納しやはった目玉には後日談があります。
京都市内の目貫師(彫金職人) の定次郎さんが清水寺の観音さんにお願いしたら、清水寺の観音さんが、定次郎さんに入れたげはった。
眼が見えるようになり、喜ぶ定次郎。ふと、足下に目玉が二つ落ちていることに気がついた。これはまさしく先刻までの自分の目玉。「これも大事に」と持って帰ろうとすると、後ろで観音さんが「定次郎、下取りの眼は置いて行け」 と言わはったそうな。

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この話しの続きがある。
景清の眼を得た定次郎は、目玉と共に豪傑の精まで入ってしまったと見えてやたらに強くなる。大名行列に暴れ込み、歌舞伎の景清よろしく名乗りを挙げ、殿様の駕籠の前に立ちはだかって見得を切ってしまった。
殿様「そちは気でも違ったか」
定次郎「いや、眼が違った」

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お後がよろしいようで。

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タグ:京都 社寺
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