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鬼ハ内、神仏も内 [風景・和菓子]

二月になってしまった。
節分ですね。
節分は、季節が変わる日というような意味。
つまり冬から春の分かれ目の日。
2月3日までが冬で、2月4日が立春ということになる。

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この季節の変わり目に「邪鬼(気)」が出てくる。
だから、「邪鬼(気)」対応をするのです。
代表的なのが「豆巻」ですね。
「福豆」は「まめに働く」という語呂合わせから喜ばれる縁起物。また豆を枡(ます)に入れるというところにも縁起のよさがある。
もともと枡は米や酒などを計量うるために用いられるため、公明正大な神の力を象徴するものなんです。
節分で枡に入れた豆で、「邪鬼(気)具体的には、鬼や疫病を退散させるために豆まきをするのです。

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豆や枡の他に「邪鬼(気)」が嫌うものがある。
・音なんかも嫌う。でんでん太鼓というのがありますね。あれなかもそう。指で音を鳴らすのもそうなんです。
・匂いも嫌う。特に鰯の焼いたのは嫌がるらしい。だから柊の枝に鰯を刺して玄関に置いたりしました。いまそんなことをしたら猫や烏が寄ってくるかも。
・笑い声、なんかも「邪鬼(気)」が苦手なものです。
・桃の弓、追儺式の時に桃の木で作った弓を射ます。きっと鬼が昔、桃太郎に退治されたからかな?

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いま、「邪鬼(気)」を追い払うのに一番いいのは、家族が揃って笑うことでしょう。笑っていれば少々の邪鬼は退散しますよ。

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でも「邪鬼ってなんだろう?」と考えることがあります。
結局、外部にあるのでなく、邪鬼は内なのかも。
つまり人間の心の奥底にある鬼。
たまたま、縁に触れないから出て来ない鬼。
それを人間は、秘めて生きている。
もちろん、神仏も秘めている。
できれば、神仏だけを表面に出したいですね。

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↑千本玉寿軒「福竹」

そうか我々の奥深くにあるのは、エネルギーだけでそれは宇宙といっしょで、いいとかわるいはないのかも。ただエネルギーがあるだけ。
それが心を通る時、神仏か鬼に変化するのかも。
そうなら押さえるのは結構難しい。
ある人は「エゴを無くせ」と言います。エゴを無くしたら人間はこの世で生きて行けないだろう。エゴは死ぬまでついてくる。
ひょうっとしてちょっと遠ざかることはできるかも。
単純に豆巻きぐらいで退散できるようなものではないだろう。

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↑上用、黒こしあん、ごま

そうそう「恵方巻」というのがありますね。
私は、無意味なことだと思うな。
1990年ぐらいに大阪の海苔組合が考え出したもの。
それを1998年セブンイレブンが全国的にやりだし急速に広まった。
だから売る方は御利益があるけど、食べる方はさほど御利益はないと思う。
我が父親は、そのことを知らなかった。
食べたそうに言うから説明してやりました。
しかも元々はお茶屋遊びでとても趣味の悪い遊びから始まった。
いまでは、ロールケーキやサンドイッチ、麩菓子、ガス管なんでも加えるらしい。
それを皆がやっている・・・気持悪い国民ですね。

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